知っておきたい!高齢者の入院事情

人に聞きづらいお金や制度など、高齢者の入院について解説

高齢者が介護生活や入院が必要になる理由

介護が必要になる理由は人それぞれ異なりますが、思いがけないきっかけでとたんに介護生活になってしまうことがあります。現状健康だから介護なんて関係ない、と高をくくらずに年齢に応じた準備を進めておくことが大事です。

高齢者が介護を必要とするきっかけで、現在1番多いのが認知症です。厚生労働省による調査では、要介護者全体の24%が認知症を患っていることが分かっています。認知症は発症が目立たず、さらに進行スピードも遅いため、診察などの対応が遅れがちです。そのため、要介護認定を受けてから慌てて準備をすることも珍しくありません。

2番目に多い理由は、脳卒中や脳梗塞などの脳関係の病気です。脳関係の病気は静かに体を蝕み、前触れもなしに突然発症するものが多いです。そして発症後は、体の機能が、少なくともしばらくの間は、まるっきり変わってしまうことがほとんどです。こちらも急ピッチで入院や介護の準備を始めることが多いケースです。

3番目は突発性のケガです。高齢者は体力や注意力の低下により、転倒などの事故が多くなります。また骨や筋肉も弱まっているので、ちょっとつまずくだけでも骨折や関節を痛める可能性があります。そして厄介なのは、事故は予測ができないということです。健康診断で事故の前兆はわからないし、足腰がしっかりしている高齢者でも、こけるときはこけます。朝にジョギングをしていた人が、その日に夕方には寝たきりになってしまった、ということも実際にある話なのです。自分は大丈夫、うちの親は元気だから、と決めつけずに入院や介護についての知識はつけておきましょう。